観潮楼跡(森鴎外記念図書館)
住所 / 文京区千駄木1-23-4

 森鴎外(林太郎・1862~1922)は、通称“猫の家”(現向丘2-20-7・鴎外が住み後夏目漱石も住んだ)から明治25年(1892)ここに移った。2階書斎を増築し、東京湾の海が眺められたので観潮楼と名づけた。
 鴎外は、大正11年(1922)60歳で没するまで、30年間ここに住んだ。
 観潮楼の表門は、藪下通りに面したこの場所にあり、門の礎石や敷石は当時のままである。庭には戦火で焼けた銀杏の老樹が生きかえっている。三人兄語の石はそのままであるが、鴎外の愛した沙羅の木は、後に植えかえられた。
 鴎外は、『舞姫』、『青年』、『雁』や『阿部一族』などの小説、史伝、評論などを書き、ここは文学活動の中心舞台であった。また、詩歌振興のため観潮楼歌会を開き、若い詩人、歌人に大きな影響を与えた。

文京区教育委員会立て札より

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